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三津は満面の笑みでしずと次郎におやすみなさいの挨拶をして一之助と店を出た。
「三津さん仕事の時と普段と笑顔使い分けちょるんやな。」
「え?そんな器用な事出来ませんよ。全部一緒です。」
「は?さっきフサちゃん思い出しとる顔全然違ったぞ。」 【改善脫髮】四招避開活髮療程陷阱,正確生髮! -
三津には言ってる意味が分からなかった。何がどう違うの?と一之助に詰め寄った。
「近い近い!距離感馬鹿か!」
少し離れろと三津の両肩を押して距離を取った。三津はすみませんと苦笑して五歩ほど後ろに下がってそれで笑顔の違いとは?と尋ねた。
「客相手には綺麗な愛想笑いで普段のは……ふっ間抜け面。」
意地悪く片口を上げてそう言った。
「えー……でも否定しません……間抜け面はよく言われるんで……。」
でも何だか不満だと三津は口を尖らせた。年頃の娘にしちゃ幼稚だなと一之助は更に笑った。
『笑った。』
満面の……とまではいかないが目を細め口角も上がっている。
じっと見られているのに気付いた一之助はすぐに仏頂面に戻った。そしてそのまま三津に距離を保たせて家まで送った。
「ただいま戻りましたー。」
玄関を開けるとお帰りなさい!とフサが飛び出してきて三津に抱きついた。
「お帰り三津さん。」
その後から出迎えに来てくれた文と,その隣りにもう一人色白で目のくりっとした可愛らしい子が立っている。
「紹介するわ,すみちゃん。」
「初めまして入江すみです。」
「入江ってまさか……。」
三津が目を見開いたのを見て文がにやりと笑った。
「そう,入江さんの妹。幼馴染なそ。」
「いつも兄がご迷惑をおかけしております……。」
「いえいえ!私の方がいつも九一さんに甘えっぱなしでっ!」
深々と頭を下げられてしまい三津はそれより深く頭を下げた。
「文ちゃんから話はある程度聞いちょります……。本当にど変態が申し訳ないです……。」
「ねぇ文さん何言ったの?」
顔を引き攣らせる三津に詳しくは中でと含みのある笑みを残して居間に戻った。居間では文とすみが並んで座り,文の向かいに三津,その隣りをフサが陣取った。
「本当にうちの愚兄の無礼を何と詫びれば……。」
「すみさんすみさんそれに関しては身に覚えがなくて……。」
「好かれた時点でもう終わりですよ。
自分から女子に興味を持たなかった兄が三津さんに纏わりついちょるって聞いた時には血の気が引くと言うか身の毛がよだつと言うか……。あんなど変態に好かれるやなんて……。」
妹にも変態を通り越し“ど変態”と認識されている入江とは。
三津はすらすら並べられる入江の悪口を聞き続けたが流石に酷い言われようなので一旦口を開いた。
「でも私九一さんには何もされてないし……。」
「御本尊握らされとるやん。」
文の一言にすみが嘆いてるのはそれか!と額に手を当てた。
「それに関しては私にも責任があって九一さんの気遣いがあった上での事で……。」
「いえ……興奮する点がおかしいアイツが悪いんです……。三津さんは謙虚で仕事も出来て愛嬌もある素敵な方なので責任持っていい縁談を……。」
「縁談!?いいです!いいです!それにしばらくは一人を楽しみたいです。」
もう苦しい恋なんてしたくない。身の丈にあった恋を出来るようになるまではまだ時間がかかると思う。それまでは働いて好きな事をして楽しく暮らしたいと思うのだ。
「本当に何で塾生の男共はろくでもないのしかおらんかね。三津さんうちの元旦那知っちょりますか?」
「あっえっと伊藤さんですよね?」
すみに問われて答えたが触れてもいい話題なのかと恐る恐る答えた。
「そう!結婚しても女遊び酷なる一方で浮気相手の芸妓が妊娠したのきっかけに離縁したそ。うちもこんな目に遭っとるし三津さんが結婚するなら絶対塾生やった奴とはさせられん。
文ちゃんどんどん腹立ってきたけ呑まん?」