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な塗輿で、輿のすぐ脇には、齋の局と古沍が付き従っていたが、
濃姫が直にったのはこの二人だけで、その周りを囲む女たちは、どうやら信長付きの侍女衆のようだった。
しかも彼女たちは、まるで輿を隠すかのように、物々しく周囲を取りかこんでいる。
その様は、の御小姓たちにも異様に映ったのか
「あの輿には、どなたが乗っておられるのであろうのう?」
とをひそめ、小声で話し始めた。
「それがな──御台様のお輿らしい」【改善脫髮】四招避開活髮療程陷阱,正確生髮! -
「御台様!? 共に参られるとは聞いておらぬが…」
「何でも上様のりで茶会の手伝いをなされるらしい。が、出陣の途上であることをり、内々のご同行と聞き及ぶ」
「じゃからと言うて、何もあのように輿をお隠しにならずとも…」
「これ、何を話しておる!まぬか」
蘭丸にめられ、皆々 慌てて口をつぐんだ。
けしからんと言いたげな顔で、する蘭丸だったが、
彼自身も、濃姫の上洛については昨夜から疑問に感じており、今になってそれは益々深みを増している。
同行の理由が先ほど小姓たちが話していた通りだったとしても、腑に落ちない点も幾つかあった。
まず、城内の誰もが濃姫の上洛を知らず、全てが一部の者たちによって内々に運ばれていたことだ。
今 行列を成している者たちも正室の同行を知らなかったどころか、
濃姫が乗っている塗輿さえも、出立の刻限ぎりぎりになって門前に運ばれてきた物である。
濃姫ほど身分の高い奥方ならば、既に御殿内で輿に乗り込み、そのまま運び出されていてもおかしくはないのだが…。
それにいくら外聞が悪いからと言っても、やはりこの内密さはどこか妙だ。
正室の上洛であるのに、供する者がたった二人だけなのも引っかかる。
そういえば、信長の侍女衆を自身の輿の周りに配置したのは、蘭丸が知りる限り濃姫であったような気がする。
信長は列の先頭近くに位置し、濃姫のことに関しては今のところ何も口をんでいない。
『 ならば全て、御台様のご一存が働いてのことか…? 』
しかしに。
蘭丸は疑念をらませつつも、明確な答えが出る気配は一向になく、
ただひたすら、都に向かって歩を進めるしかなかった。
その頃 安土城に残った報春院は、胡蝶の隠し部屋の入口でもある、奥御殿の御仏間にいた。
何か思うところがあったのか、珍しく祭壇に安置された道三夫妻の御位牌に焼香し、
実に真剣な面持ちで双の手を合わせている。
やがて拝礼を終えた報春院は、祭壇に軽く一礼すると
「参りましょう──」
背後に控えていたお付きの侍女をって、開け放っていた入口の扉から、外の廊下へ出た。
侍女は仏間の扉を閉めると、鍵をかけようと思い、取手に下がっている錠前に手を伸ばした。
すると、前に進んでいた報春院がさっとを返して
「よい、そのままで」
と、厳しい声色で告げた。
「 ? されど、仏間の錠は常にかけておくようにと、御台様のお達しが…」
「いや、よいのじゃ、開けたままで」
「何故でございますか?」
「日々 閉ざし通し故、時には外の風を入れるのもよかろう。……それに」
報春院はろな瞳で御仏間を見つめると、溜め息混じりに呟いた。
「今はもう、その厚い扉で守らねばならぬものは、何もない故」
信長一行はその日の内に入京を果たしたが、本能寺に着いた頃には西の山に日が沈みかけていた。
鮮やかな色に染まった境内で、一行は僧侶たちによる手厚い出迎えを受けると
「──茶道具を頼んだ。傷一つ付けるでないぞ」
「──ははっ」
「──